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ナラティヴ・アプローチ

グリ研は、麗沢大学名誉教授の水野治太郎先生に手ほどきを受けたナラティヴ・アプローチをグリーフケアに取り入れて活動しています。水野先生にはグリ研の立ち上げ頃から関わってくれていたメンバーの故大竹明子さんにご紹介頂き繋がることができました。ナラティヴ・アプローチを取り入れていると言っても、グリ研のグリーフケアの実践としてのわかちあいの会は治療の場ではないので、ナラティヴ・アプローチでセラピーをしているわけではありません。水野先生に繰り返し教えて頂いたナラティヴ的な考え方のエッセンスを所々意識しているという程度です。

わかちあいの会は、グリーフを安心して語れる場です。参加される方はご自分のグリーフを語ります。その語りには人間的な力があります。生きる希望も無いと喪失体験に打ちのめされた様な語りの中に、その方が勇気を振り絞ってわかちあいの会という「非日常の中のグリーフケアの場」に来られて、自らを語っていると言う現実があるのです。その語りにはエネルギーがあります。そのナラティヴなストーリーに、我々グリ研のメンバーは人生を学びます。我々が参加者の方々のお世話をしているというより、色々なストーリーを拝聴し、我々の方が多くを学ばせて頂いています。
繰り返し語られるストーリーは、同じ様に大切な方を亡くされたお話しですが、一つではありません。語り手である参加者は、大切な人・かけがえのない人を亡くした喪失を体験して、もう生きていくこともできないと思っていた自分が、人前でその想いを語っている自分になっていることに気づき、他の参加者のお話を聴いて自分一人じゃ無いという思いを持ち始め、次に語る言葉は、自分ではなかなか気付かないかも知れませんが、確かに変化しています。それまでのストーリーとは異なるストーリーが語られています。自分の人生の終わりとしか思えなかった辛い喪失の意味付けが変化していきます。自分の死別体験のみしか見ることが出来なかった自分が、グループの他のメンバーの心にも寄り添った話しに変化する。ストーリーは一つではありません。異なる視点から見た別のストーリーが存在しているのです。

グリ研は、その語りをただただ見守ります。時に、その変化をご本人が気づいているか伺うことがあります。変化が良いとか悪いとか言うのではありません。変化していることを変化していると言うだけです。そうやって、回を重ねて語っていただく方に寄り添って参ります。水野先生のナラティヴ・アプローチを生かし切れているかどうか分かりませんが、これからも水野先生に教えを乞いながらわかちあいの会を続けていきます。

グリ研では毎年『グリーフケアの担い手養成講座』で、「ナラティヴ・アプローチ」の講座を行っております。2019年より、水野先生に代わり生田かおる先生にお願いしています。生田先生はグリーフケアにおいてナラティヴ・アプローチを応用するためのご本を、水野先生と共著で書かれています。
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プロフィール

griefcaremiyagi

Author:griefcaremiyagi
2004年暮れから活動を始め、2006年から「わかちあいの会』を行なっている団体です。2013年にグリーフケアの実践と普及・啓発を事業の柱としてNPO法人化しました。立ち上げの時から関わって頂いているあしなが育英会の仙台レインボーハウスに事務局を置き、宮城、山形で活動しています。グリーフケアの担い手養成講座には、東北6県、関東からも参加されています。